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残夏 – 1945 –

「残夏 – 1945 -」2年前の2015年に制作したチラシとパンフレットになります。
その年号が示す通り、戦争がテーマの舞台です。あまり語られてこなかった、聴覚障害者から見た原爆・戦争のお話です。
胸をえぐられるような…。でも決して目を背けてはいけない。
 
いつも健常者目線から語られる戦争の話とはまた違った視点で、非常に素晴らしい舞台でした。
今回チラシを作るにあたり、既にテーマがはっきりと決まっていたので、不思議なくらいにスーっとイメージは浮かんできました。
 
チラシの仕様/A3サイズ2つ折り、両面カラー、紙質:コート紙

両A面的なチラシにしようと思いました。
8/6は広島に原爆が落とされた日。8/9は長崎に。それぞれの日付を手話で表現しました。
カメラマンは長年の付き合いでもある中島福美さんに依頼し、キャストと表紙の手のモデルでもあるお爺ちゃんに協力して頂き、1日かけて撮影しました。
僕の中でこのチラシの表紙のイメージは、原爆が落ちた瞬間です。閃光が走り真っ白で何も見えない情景。そこにくっきりと焼き付く影。その為に写真はモノクロにしました。
余計な文字は一切排除し、文字も舞台のタイトルのみとしました。そこには、「考えて欲しい」と言う思いを込めました。
日付もキャッチコピーも無いチラシを見て「何これ?」手に取った時、この舞台のテーマである戦争に対して、こちらから全てを説明するのではなく、自分自身で考えて見て欲しいな。と。

中面のイメージは原爆の落ちる前の、平和な夏の暑い日をイメージしました。入道雲があって、まさに日本の夏!と言う感じです。
中面のタイトル文字「残夏」の「残」にだけ、ちょっと装飾が施されているのですが、これは菊池司さんと言う長崎の原爆被害者が描かれたイラストを使用させて頂いております。白と青、戦争と平和そんな対比を意識しながらデザインをしました。
 
こちらは劇場で当日配布されたパンフレットになります。

パンフレットの仕様/A2サイズ4つ折り、両面カラー、紙質:上質紙
 
基本的にはチラシと同様のデザインになるのですが、よく見るとタイトル「残夏」の文字の装飾が両面でチラシと異なっております。こちらは菊池さんの描かれた原爆の情景のイラストと夏の青空をそれぞれモチーフとして使用させていただき、それぞれの対比を出しました。
また、サイズがA2サイズ4つ折り、と通常のパンフレットに比べて非常に特大サイズとなっております。
主催であるサイン アート プロジェクト.アジアン様が創立10周年の記念公演と言うこともあり、特別仕様となっております。


みなさん、流石役者さん!撮影現場では短い時間に色んな表情をしてくださり、非常に楽しい撮影となりました。
4つ折りを全て展開すると・・・

これまでのサイン アート プロジェクト.アジアン様が行ってきた公演をダイジェスト写真で振り返られるような、ポスターのような仕様にしました。本来ならば、写真の場合はコート紙などの方が艶があって色味やコントラストははっきり出て綺麗なのですが、サイン アート プロジェクト.アジアン様がこれまでに行ってきた公演やその信念は、非常にハートフルで暖かいものが根底に流れていると感じていたので、優しさや暖かさが少しでも伝わるような紙質として、敢えて上質紙をチョイスさせていただきました。
そして、お客様がいつまでもとっておきたくなるようなパンフレットを。捨てるのが忍びないようなパンフレット作りを心掛けて。(笑)